結論:豊橋鉄道が、市内線の普通運賃を200円から230円に、渥美線を1kmまで170円から190円にするなど、運賃改定を国に申請した。実施は2027年5月の予定で、いまの運賃はそのままです。
対象:豊橋鉄道の市内線(路面電車)・渥美線を使う通勤・通学・買い物の人
今どうすればよいか:いま変わるものはない。認可されて実施日が決まったら、定期券の更新時期と合わせて買い方を考える。
最終確認:2026年10月9日 8:00(豊橋鉄道の公式ページで確認)
確認済み:公式(豊橋鉄道のお知らせ・報道資料、2026年8月31日)
まだ確認できていないこと:国の認可の時期と結果、豊鉄バスの運賃への影響(報道資料に記載なし)、こども運賃・障害者割引など定期以外の割引の申請内容
豊橋鉄道は2026年8月31日、鉄道事業(渥美線)と軌道事業(東田本線=市内線)の旅客運賃の上限変更を、国土交通省中部運輸局に申請しました。改定日は2027年5月(予定)です。申請どおりに認可されると、市内線の普通運賃は200円から230円に、渥美線は1kmまでが170円から190円になります。豊橋鉄道の報道資料(8/31付)をもとに、2026年10月時点で、いまの運賃と申請額を並べました。申請の段階なので、金額は変わる可能性があります。
市内線は200円から230円、通勤定期は9,660円に
市内線(東田本線、駅前〜赤岩口・運動公園前の5.4km)は、乗る距離にかかわらず同じ運賃です。報道資料にある、現行運賃と申請運賃の比較は次のとおりです。
| 市内線 | 現行運賃 | 申請運賃 | 差 |
|---|---|---|---|
| 普通運賃 | 200円 | 230円 | +30円 |
| 通勤定期(大人1か月) | 8,400円 | 9,660円 | +1,260円 |
| 通学定期(大人1か月) | 6,000円 | 6,900円 | +900円 |
増収率(運賃収入の増え方)は、市内線が全体で15.0%です。定期外運賃は15.1%、定期運賃は15.0%と書かれています。
渥美線は距離に応じて20〜40円の値上げ
渥美線(新豊橋〜三河田原の18.0km)は、キロ程ごとに運賃が決まっています。普通運賃の申請額は、1kmまでが190円(現行170円)で、18kmまでが580円(現行550円)です。主なキロ程を抜き出すと次のようになります。
| キロ程 | 現行運賃 | 申請運賃 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1kmまで | 170円 | 190円 | +20円 |
| 2kmまで | 170円 | 200円 | +30円 |
| 3kmまで | 180円 | 210円 | +30円 |
| 4kmまで | 180円 | 220円 | +40円 |
| 5kmまで | 210円 | 240円 | +30円 |
| 10kmまで | 340円 | 370円 | +30円 |
| 15kmまで | 480円 | 510円 | +30円 |
| 18kmまで | 550円 | 580円 | +30円 |
差は、1kmまでが20円、2〜3kmまでが30円、4kmまでが40円、5km以上は全区間で30円です。増収率は渥美線の全体で11.4%(定期外運賃11.2%、定期運賃11.7%)と報道資料に書かれています。
定期券はどれくらい上がる?
報道資料には、通勤定期と通学定期(どちらも大人1か月)の現行と申請額も載っています。割引率は、通勤が30%、通学が50%です。
| 渥美線 定期(1か月) | 現行 | 申請 | 差 |
|---|---|---|---|
| 通勤 1kmまで | 7,140円 | 7,980円 | +840円 |
| 通勤 5kmまで | 8,820円 | 10,080円 | +1,260円 |
| 通勤 10kmまで | 14,280円 | 15,540円 | +1,260円 |
| 通勤 18kmまで | 23,100円 | 24,360円 | +1,260円 |
| 通学 1kmまで | 5,100円 | 5,700円 | +600円 |
| 通学 5kmまで | 6,300円 | 7,200円 | +900円 |
| 通学 10kmまで | 10,200円 | 11,100円 | +900円 |
| 通学 18kmまで | 16,500円 | 17,400円 | +900円 |
1か月あたりの値上げ幅は、通勤が840〜1,680円、通学が600〜1,200円です。キロ程ごとの全区間の表は、豊橋鉄道の報道資料(PDF)に載っています。
なぜ上げるのか:収支率は渥美線99.0%、市内線91.7%
豊橋鉄道は申請の理由として、人口減少や少子高齢化で鉄軌道事業の環境が厳しいことを挙げています。前回の運賃改定は2024年(令和6年)3月で、その後も設備の老朽化が深刻で、維持管理費や原材料費の高騰は企業努力だけでは吸収しきれない、としています。
運賃収入でどれだけ費用をまかなえているかを示す収支率は、2025年度(令和7年度)の実績で、渥美線が99.0%、市内線が91.7%です。申請では、今後の3年間(令和10〜12年度の平年度)の収支率が、現行運賃のままだと渥美線80.7%、市内線74.1%に下がり、申請どおりに改定すると渥美線89.6%、市内線83.2%になる見通しが書かれています。
報道資料は、改定で得た収入の使い道として、次の3つを挙げています。
- 軌道・路盤・電路・車両など、安全輸送のための設備の更新・修繕
- ICカード対応の改札機など駅務機器の更新や、無人駅へ出す列車運行情報の拡充
- 鉄軌道に携わる係員を安定して確保するための待遇や職場環境の改善
いつから?認可までの流れ
申請したのは「運賃の上限」の変更です。国の認可を受けて、実施する運賃が決まります。報道資料にある改定日は、2027年5月(予定)です。市内線と渥美線のどちらも、同じ時期の予定になっています。認可の結果や、実施日が確定した時期は、本稿の確認時点(2026年10月9日)で豊橋鉄道のお知らせには出ていません。
運賃が変わる前に、いまのうちにできることは、通勤・通学で使う区間のキロ程を確かめておくことくらいです。豊橋鉄道の公式サイトの「運賃・定期券」のページで、いまの運賃を確認できます。
情報源
- 豊橋鉄道「鉄軌道事業の旅客運賃改定申請について」(お知らせ、2026/8/31)
- 豊橋鉄道 報道資料「鉄軌道事業の旅客運賃改定申請について」(PDF)(令和8年8月31日)
確認日:2026年10月9日。申請内容は認可の過程で変わることがあります。
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アイキャッチ:豊橋鉄道渥美線の電車(CC0)
